実物でたどる教育史 
江戸から現在へ、
子どもの学びと遊びの世界


唐澤博物館


練馬区豊玉にたたずむ、
小さな個人博物館

日本教育史研究で、実物からアプローチする独自の業績をあげた唐澤富太郎。その生涯をかけて収集した実物資料を展示しています。
 
刊行物第1号『疱瘡見舞品から大坂を覗く―「小児里う疱瘡扣」をめぐって―』発売!
(詳しくは博物館ブログ記事をご覧ください)

博物館の概要

教育学・教育史研究家の唐澤富太郎は、長い歳月をかけて数万点にもおよぶ研究資料を収集しました。唐澤博物館では、その中から7000点あまりを選りすぐり、日本の子どもの教育と遊びを、江戸時代までその源流をたどりながら展示しています。
当館の特徴は、レプリカや模写ではなく実物を数多くご紹介していることです。「百聞は一見に如かず」、子どもの教育と遊びの世界を一目で知ることができます。明治日本が急速に近代化できた要因の一つが、全国一律の教育制度ができるずっと以前の寺子屋時代から連綿と続く子どもの基礎教育にあったことも、実感していただけるものと思います。また、昔懐かしい教科書や教材や玩具に、過ぎし子どもの頃を思い返していただくこともできます。

館内のご案内

アプローチ

入口では二宮金次郎の像が皆さまをお迎えします。全国どこの学校でも校庭に立っていた、あの懐かしい像です。館内に入ってまず見えてくる木製の階段の手すりは、実際に明治20年創立の小学校で使われていたものを移築しています。明治時代の小学校にタイムトリップしたような雰囲気で、昔懐かしい木造校舎の温もりを感じていただけるでしょう。玄関のシャンデリアもまた実際に大学の講堂で燦然と輝いていたものです。館内には、できるかぎり多くの資料を展示いたしました。


1階 子どもと学校150年

明治5年に学制が敷かれ、近代的な学校教育が始まりました。この階では日本の学校教育の始まりを中心テーマに展示しています。最初に使われた国語教科書や図鑑のように精密に描かれた理科掛図、第一号の卒業証書、不就学者に就学を促進するために作られた就学章、明治の視聴覚教育の花形・幻灯機などです。また、戦前までの教育を象徴する教育勅語や白木造りの御真影奉安殿、明治37年から戦後まで4回にわたり改定された国定教科書、各時代を反映している通知簿や賞状などを展示しています。


2階 江戸の教育と子どもの遊び

寺子屋の教室を再現しました。珍しい看板や師匠が使用した机や本棚、往来物と呼ばれた教科書、清書帖などはすべて実際に使われていたものです。入門の際、自ら新調し持参した天神机と文箱(往来物、草紙、文具を収納する箱)が並び、まるで江戸時代の子どもたちになって学んでいるよう。師匠が使用した竹製の鞭にもご注目ください。学問の神様として祀った天神人形、江戸から昭和まで遊ばれたコマやメンコなどの玩具、筆、文鎮、硯、水滴などの文具、そろばんやお伽噺のコーナーもあります。

3階 日本人の仕事と暮らし

教育を「日本人の人間形成史」として幅広く捉えた唐澤の研究らしい展示スペースです。江戸から昭和まで日本人が日常生活で用いた用具や仕事道具を展示しています。写真手前の「いずめ」は野良仕事の際に赤ちゃんを寝かせたワラ製の籠です。他に消火道具の龍吐水や火消しが着た粋な図柄の刺し子半纏、折り畳み式枕や衣紋掛け、提灯などの旅道具、櫓時計や香時計、切り溜め式の器、酒器などがあります。日本人の優れた生活の知恵と仕事に対する精神性の高さ、手先の器用さが伝わってきます。
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館長・唐澤るり子のコラム「モノが語る明治教育維新」(三省堂WORD-WISE WEB)

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